動物

シマリス

 2024年春、目撃されることが急増しました。環境省生物多様性センターの生き物ログで、「長野県内では美ヶ原高原周辺の森林や林縁の開けた環境で見かける。」と特記されています。
 ここから判断すると、チョウセンシマリスの 可能性が大きいと考えられます。 ペットとして飼われていたものが逃げ出し、各地で野生化、繁殖しているそうです。
 在来種のニホンリスが樹上で多く活動するに対し、シマリスがよく目撃されるのは地上です。 昼行性で、しばしば崖の水抜き穴に出入りしたりせせらぎコースを移動したりしています。 植物の種・昆虫・小鳥の雛や卵を食べますが、生態系に及ぼす影響は未だ不明だそうです。

ノウサギ

 成獣は体長50cm前後ですが、この個体は25㎝ほど。子どものようです。 ノウサギは日本の固有種で、亜高山帯までの森林などで単独生活をします。積雪のある地域では冬に耳の黒を除いて白くなり、春から徐々に茶褐色に変わるそうです。
 雪上に足跡を見ることは多いのですが、白いノウサギを目撃したことはありませんし、情報もありません。幼獣は生まれて1ヶ月ほどで独立するそうで、雪上には単独の極小の足跡もよく見られます。

キツネ(トレイルカメラの映像)

 この辺りには時々出没し、ジャンプして獲物を捕る姿も見られます。目立つ所に糞をします。動物食なので中にはネズミや小鳥の毛、カエルの卵などが見られます。

ホンドテン(1/2)

 冬の晩、ベランダのひまわりの種を食べに来ます。日中現れることは稀ですから、この時はよほど空腹だったのでしょう。食べ終わると窓に寄り、ご馳走様と言っているようでした。
 冬毛は、顔が白く身体が黄色できれいです。雑食で夏は動物食、初秋からは植物食が多いそうです。

ホンドテン(2/2)

 掛けてあるバードフィーダーの中も確認して帰って行きました。垂直の柱や壁さえ伝って移動する、すごい運動神経の持ち主です。

ニホンアナグマ

 愛嬌のある顔です。クマと同じように冬ごもり(冬眠ではない)するので、雪の上に足跡を見ることはほとんどありません。冬以外は、移動に使っている側溝で見ることが多いです。動きが遅く、もったりしています。雑食性ですが、主にミミズなどの土壌動物や小動物を食べます。

ニホンジカ(トレイルカメラ早朝の映像)

 美しの国で一番多く目にする機会の多い動物がシカです。夏はオレンジの鹿の子模様ですが、冬には灰褐色の無地に変わります。でもお尻のハート形の白班は変わらず、逃げ去る時などに一番目立つ所です。普通は母と子から成る群れで生活し、オスは単独かオス同士で行動します。 人の気配を感じると「ピョッ」という鋭い警戒音を出しびっくりさせられます。秋の繁殖期に聞こえるトビに似た「ピーヨー」という長い鳴き声は、オスがメスを呼ぶ「ラット・コール」というものです。

ニホンジカ(トレイルカメラ夜間の映像)

 普通は日中と夜間に林内で休息し、夕方と早朝だけ草地に出て食事をするそうですが、ここでは時間に関わらず採食しているように思えます。この映像は夜中の1時台でした。

ニホンカモシカ

 昔は幻の動物と言われ特別天然記念物に指定されていますが、今では里山でも普通に見られるようです。美しの国ではシカほど多く見られる動物ではありません。 糞も雪上の足跡もシカとよく似ていて、見分けるのは難しいです。シカとの大きな違いはタヌキのように溜め糞をするということで、100粒以上の糞が30~40cm四方に堆積しているのはカモシカの糞と考えられます。
 このカモシカは角が小さく(雌雄共角があり、シカのように抜け落ちることがない)顔も短いので、まだ子どものようです。

たぬき山荘のたぬきおやじさん提供の動画



Foot Prints

 雪に残された小さな無数の足跡をたどるのは、冬の大きな楽しみです。種の特定は難しいですが、想像力を働かせれば様々なドラマまでも見えてくるような気がします。
 アライグマ・イタチ・ツキノワグマは、美しの国にいるかどうかわかりません。でも他の動物の足跡は、舗装路でもきっと見つかります。この冬、探してみてはいかがでしょうか。 

  • キツネ、テン、カモシカ、タヌキ、ハクビシン、ノウサギ、アナグマ、シカの足跡-->footPrints.pdf
  • イノシシ、リス、イタチ、イヌ、アライグマ、ネコ、ツキノワグマの足跡-->footPrints2.pdf